記憶力のなさには定評のある僕だが、
南場さんと初めてご挨拶したときのことはハッキリ覚えている。

数年前、某キャリア主催のパーティで声をかけたのだが、南場さんの第一声は
「あなた、このアイスクリームおいしいわよ!」であった。
仕事の話にはならなかった。バイタリティと歩く速さが印象的だった。
(ビジネスの話はその後、同会場にいた守安さんとした)
  ※当時、僕はDeNAさんからそこそこの規模の仕事を頂いていました。
  余談ですが、DeNAで僕を担当した方は赤川さんを筆頭にその後出世する人が多い。
 ということでDeNAの皆さん、お仕事ヨロシク!ヨロシク!

で、南場さんの「不格好経営」なわけですが。

不格好経営―チームDeNAの挑戦 [単行本]



南場さんのすごいところは、この本に書いたことは掛け値なく本心から
不格好で失敗ばかりだと思っているであろうこと。

僕からすれば、
この本に「失敗談」は何一つ書かれていない。
そもそもDeNAはこの10年、日本で最も成功した会社の一つなわけで
失敗談を書くにも限界があるわけだが、それでも本当の失敗談は
本能的に隠されているか、忘れられている。
(たとえば、ngmocoのニールのくだりはちょっと引っかかる。何かある気がする)

要するに失敗のレベル自体が滅茶苦茶に高いのだ。
マッキンゼーが「失敗」を定義したらこうなったという感じ。

こんな成功の歴史を「失敗だ」と定義されたら、必然的に成功の要求レベルは高くなる。
さらに新卒への訓示として「能力を労働時間でカバーすることは奨励される」という
マッキンゼーイズムが徹底されるとなれば
多少のピンチにも打たれ強く頑張る集団が生まれるのは必然だ。

ソーシャルゲームの2大巨頭の明暗がハッキリ分かれているというのが
最近のもっぱらの評判だが、DeNAがここにきてぐっと粘り強いのはこうした「打たれ強さ」を
会社のDNAとして刻み込んでいるからではないだろうか。

本当の失敗とはもっと惨めで、辛く、孤独で、取り返しのつかないものだと思う。
(そういう意味では、僕も本当の意味で失敗はしていない)

だから次に会ったら、南場さんに言いたい。
 「最高にカッコイイじゃないですか、これ!」と。