割と衝撃的なコラムを読んでしまった。

みずほ情報総研:なぜ日本からはグローバルベンチャーが生まれないのか
http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/column/2014/0617.html

筆者の稲場 未南さんという方は、昨年NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合
開発機構)の委託調査(この仕様書によると推定予算1900万円くらい)で、シリコンバレーで500 startupsなどに話しを聞いてきたらしい。

で、その結果の知見と思われるコラムがこれである。
控えめにいって「これはひどい」というレベル。NEDOにどんな研究成果が報告されたのか思いやられる。

そもそも、
-日本におけるベンチャー支援としては、インキュベータが知られている。地方自治体や公益法人により運営されるものが多く、ワーク・スペースや会議室など場所を提供して、賃料で収入を得ている。

といういきなり強烈な現状認識からスタートしているため、そのあとの比較が全部無意味。

インキュベーションオフィスとシードアクセラレーターのVCを比較するのは、
牧場主と馬主を比べてるようなものだ。

「牧場でチンタラ馬育ててたってダービー馬は出てこない!優秀な子馬に投資しろ!」
と牧場主に説教しても、相手をそもそも間違っている。それは馬主の仕事だ。

文句を言うならMOVIDAやOnlab、サムライ、IVP、ANRI、インキュベイトファンド、
Skylandあたりにするべきだ。


だいたい最近IPOしたICT系ベンチャーで、創業時に稲場氏のいうところのインキュベータ
「地方自治体や公益法人により運営されるものが多く、ワーク・スペースや会議室など場所を提供して、賃料で収入を得ている」
にお世話になっていたところを、個人的には思いつかない。

…あ、あった。
グループのみずほ証券が主幹事でIPOさせた半導体ベンチャーが、地方自治体のインキュベーションオフィスで創業してた。会社名はたしか、エフ・オー・アイといったような気が。何故か上場廃止になっていますが...

さて、皮肉はこのへんにしておきまして。


個人的にとても違和感を覚えたのは。
「米国からはグローバルレベルで活躍するベンチャーが誕生するのに、日本からは出てこない」
という話を、みずほグループの方が肯定していることだ。

日本最大にして世界第二の通信企業であり、世界首位のEC企業の筆頭株主にして、
モバイルゲームではダントツの世界首位。
創業わずか20余年にして時価総額9兆円を成し遂げた
世界に冠たる日本発のグローバルベンチャーが、日本には存在する。

もちろん、ソフトバンクのことだ。

「危ない」「どうせ潰れる」と言われ続けた会社を、長年にわたりメインバンクとして支援し続け
兆円単位のファイナンスを提供。
かつての幹部はCFOに招かれ、時に弱気になるCEOを励まし、現在の成功へと導いたのは
他ならぬみずほグループではないか。

また、手前味噌ではあるが
弊社チケットストリートも、グローバルで活躍することを目指し
みずほキャピタルからの出資を頂いているほか、取引銀行としてみずほ銀行の方々からも
強力なバックアップを頂いている。

もちろん、まだまだ日本におけるベンチャーの絶対数は少なく、
「インキュベータからアクセラレータへ」というパラダイムシフトが今後の鍵となるという結論自体は
間違いではない。

とはいえ実際にグローバルベンチャーを育て、また今も育て続けている
みずほグループとして、ぜひ現状については正確な認識を持って頂きたいな…と、思った次第。