今年に入って本格化した定額制音楽配信。
AWA、LINE music、Apple Music、Google Play Music、KKBOX、dミュージック・・・

アメリカではこうしたストリーミング配信が去年、CD等のパッケージ売上を逆転。
iTunesなどのダウンロード型とあわせて、音楽コンテンツ市場の2/3がデジタル化されています。

で、日本でストリーミング配信は普及するか?という話ですが、
僕は「TSUTAYAをいつ潰せるか」がポイントになると思っています。

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・配信曲数でCDレンタルに勝てない
・市場規模に加え、各プレイヤーのシェアが小さく、権利者サイドでの拡販意欲が生まれにくい
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この2点をいつ克服できるか?

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※出典:RIAJ http://www.riaj.or.jp/report/mediauser/2013.html

レコード協会の調査によると、レンタル市場のリーチは配信と比較して2倍近い規模があり、かつその7割はデジタルを利用していません。

定額配信は便利だし価格も合理的ですが、やはりキーになるのは配信曲数。
各社が配信曲数の多さを争っていますが、
CDレンタルは、邦楽は発売後1週間、洋楽も発売1年後に「原則すべて」棚に並びます。
これは業界団体(CDVJ)の長年の交渉の実績で、各社バラバラに権利者と交渉している定額配信各社がここまで到達するのは、まだまだ時間がかかりそう。

CDレンタル市場は規模で概ね300億~400億円、店舗の6割、金額ベースで8割近くをTSUTAYAが握っている(残りはほぼGEO)超寡占市場です。
※RIAJ、CDVJ、JASRAC、経産省統計から推定
衰退市場におけるドミナントは、新規参入がないので超強い。

著作権法の隙間から生まれ、かつてレコード会社と激しく対立した業界ですが、今やCD売上が2,300億円に落ち込み、相対的に音楽を消費者に届ける手段としての重要性は増してきています。
特にCDシングルでは初回出荷の1割以上がレンタル向けとなっているとか。レコード会社からしても拡販チャネルとして欠かせない市場。著作権者への配分ルールも整備されているので、違法配信より遥かにマシ。

一方でデジタル配信は、市場規模で400億円強。しかも近年は伸びているどころか、セルCD市場を上回る規模で「縮小」しています。
その小さな市場の中で「着うた」「ダウンロード」「定額制ストリーミング」が混在し、複数のプレイヤーがしのぎを削ってシェア争いをしている。

結果として権利者サイドから見ると「今のモデルを延命して、どうしても定額制に移行せざるを得なくなったら仕方ない」という方向性になっていると思われます。
マーケティングの観点から見ても、「定額制サービスで特集を組む」より、「TSUTAYAの店頭で平置きして手書きPOPつける」ほうが効果あると見られてしまう。

TSUTAYAは今や「CDレンタル最大手」「映像ソフトレンタル最大手」「書籍販売最大手」という、世界に類を見ないコンテンツ複合店舗を展開するガリバー。
しかもTポイントを通してユーザの行動履歴をオンライン・オフライン双方で把握し、効果的なマーケティングをとることができる。

オンライン勢がこの牙城をどう崩すか?
難しいハードルです。